高血圧による血管壁にかかる圧力、また血液中のコレステロールや中性脂肪の上昇で血管を損傷して内皮内側にプラークができ、それが大きくなると動脈硬化となり、血管を閉塞して心筋梗塞や脳梗塞、大動脈に大きな動脈硬化が出来ると大動脈瘤の原因となります。体内の血管の動脈硬化の早期発見には頸動脈エコー検査が無痛で有効です。
動脈は3層で成り立っています。外側から外膜(血管全体を保護する)、中膜(平滑筋と呼ばれる筋肉とコラーゲン繊維)、内膜(扁平な内皮細胞)で構成されています。
食事で摂取されたコレステロールは血液には脂質が解けないので、タンパクと結合してリポタンパクという水溶性粒子になって血液中に運ばれます。これらの粒子は低比重のLDLや高比重のHDLなどになり体の隅々まで流れます。過剰なLDLコレステロールは血管内皮を傷つけ下図のように血管壁にコレステロール成分が取り込まれて動脈硬化を引き起こします。
一方でHDLコレステロールは血管内に蓄積したコレステロールを取り除く働きがあります。このような理由で前者は悪玉コレステロールと後者は善玉コレステロールと呼ばれています。ここでご理解頂きたいのは適度なLDLコレステロールは体には必須な物質で細胞膜やホルモンの原料となります。
また一方、小腸から吸収されて使い切れなかった脂質や過剰摂取した糖質は中性脂肪として内臓や皮下に蓄積されます。また中性脂肪が高値で中性脂肪を多く含むリポ蛋白が血中に増えると、小型で酸化されやすい超悪玉LDLやレムナントと呼ばれる血中リポ蛋白が分解されて出来る物質も産生され血管壁に沈着して動脈硬化を進行させます。
人は血管とともに老いると言われています。血管は単に血液を送る水道管みたいなパイプではありません。血管内皮細胞は酸素交換を中心に様々な物質交換を行い生命の源であります。人体の血管つまり動脈・静脈・毛細血管のすべての長さを合計するとその長さはおよそ10万kmで地球を2周半する距離に匹敵します。
最近まで動脈硬化は不可逆的なものと考えられてきましたが、現在では血中のLDLコレステロールをコントロールすることで血管病変が改善されることが分かってきました。また魚に多く含まれる不飽和脂肪酸のEPAなどが血管を回復させる働きがあることが証明されています。
頸部エコーやご自身の中性脂肪・コレステロール・レムナントなど調べて血管を若返らせましょう。
心臓エコー(超音波)検査では心機能や弁膜症などの診断を行います。まずはかかりつけ医として心不全傾向を知るため、心室の動きや立体的なディメンジョンから心肥大の有無や心負荷、心臓の収縮力、弁の性状の評価などを行います。
心機能の評価を通して心機能低下を早期に把握することが可能です。当院では医師が検査を行いますので検査の情報を直接診療へ生かすことができます。検査結果はその日にお伝えいたします。
狭心症、心筋梗塞などで血管の流れが悪くなると、その領域の心筋の動きが低下することがあります。
心臓の中には、心房や心室などの間を仕切るために、弁があります。加齢とともに、弁が狭くなったり、閉まりが悪くなることがあります。
心不全などで、心臓に負荷がかかることがあり、浮腫や息切れの原因になることがあります。