素晴らしい人生への道
家族やほかの人の助けなしに自力で暮らせる健康寿命を延ばすためには、毎日コツコツと積み重ねる生活習慣が大切です。例えば生活習慣病の一つの糖尿病はインスリンの分泌量が少なくなったり、機能が悪くなると発症します。その原因に過食、運動不足、肥満、精神的なストレスなどがあげられます。次々と効果のある内服薬やインスリン製剤が開発されてますが、薬だけの治療でなく栄養や運動などで治療効果をあげることを目標にします。しかし、予防が第一。また糖尿病になるとアルツハイマー病などの認知症の合併が増加します。
人間の体の免疫細胞の多くが腸内にあります。近年の多くの研究でますます、その腸内細菌叢の重要性が明らかにされてきました。免疫細胞が活発に働くことで癌の予防、生活習慣病の予防、感染症やアレルギー疾患の予防、心の健康や生命力にまで影響を与えています。さらに最近の研究で適切な栄養や適度の運動が腸内細菌叢を元気にすることが分かってきました。
内臓脂肪とは。
お腹つまり胃腸がある腹腔の内側の内臓を包み込む薄い膜が腹膜で、その膜の内側につくのが内臓脂肪です。食事からとった脂肪由来のエネルギーは子供のころは成長にも活躍しますが、大人の余剰なエネルギーは脂肪細胞に中性脂肪(トリグリセライド)として蓄積されます。腹部CTのお臍のレベルの内臓脂肪は一般的にはCTでその面積を計測します。内臓脂肪はCTでお臍のレベルの面積をトレースして100cm2が正常上限で、それを超えると次に述べる厄介な動脈硬化や糖尿病・高血圧・心筋梗塞などの生活習慣病を招きます。
内臓脂肪と皮下脂肪の違い
皮下脂肪
特徴
- 皮下につき比較的お尻や太ももにつきやすい
- 女性や子供につく傾向。
内臓脂肪
特徴
- 腹腔内や腸の周りについて外からはわかりません。
- 成人男性や閉経後の女性につく傾向がある。
- ズバリ生活習慣病の原因因子になります。
- 脂肪細胞は体におよそ300億個くらいあり、過剰なエネルギーが流入すれば3倍の体積に膨らみます。だから現代人のポッコリおなかは内臓脂肪型肥満です。
- 脂肪細胞が過食で肥大化すると、脂肪細胞から出る生理的メッセージ物質が増加します。
内臓脂肪が作り出す生理的物質早わかり
①色々ありますが内臓脂肪細胞で増加することで生活習慣病のリスクとなるものを書きだします。
- 1.TNF-α
- インスリンの分泌を低下させ血糖値を上げる。糖尿病になり易くなります。
- 2.アンギオテンシノーゲン
- ズバリ昇圧作用で高血圧を引き起こします
- 3.PAI-1
- 血栓を作り動脈硬化を促進します。
結果的には命にかかわる恐ろしい脳梗塞や心筋梗塞になり易くなります。
②今は内臓脂肪が増えることで生活習慣病を防ぐ生理的物質が減少することも分かっています。
- 1.レプチン
- 満腹中枢を刺激して食欲を減退させる作用がありますので、
これが減ることでどんどん過食になり困ります。
- 2.アディポネクチン
- アディポネクチン(長寿ホルモンとも呼ばれている)は
筋肉と肝臓における糖と脂質代謝を調節する役割があります。
減るとインスリン抵抗性が起き糖尿病を促進します。
また、傷んだ血管を修復して動脈硬化を防ぐのでなくてはなりません。