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生駒市の内科・循環器内科 カズクリニック

GFRと腎臓病

慢性腎臓病(CKD)とは

腎臓の機能異常が3か月以上継続している病態のことを言います。CKD(chronic kidney disease)とも呼ばれています。CKDの初期は自覚症状が現れません。進行すると疲れやすくなったり、体がむくんできたりします。現在、日本でCKDに罹患している人は成人で約1,330万人(成人の8人に一人)いると考えられています。

CKDはある程度進行すると自然に治ることは困難になるため早期の発見と生活習慣の改善と治療が重要です。 放置するとさらに進行して人工透析や腎移植の治療を行わなければなります。

腎臓の役割

腎臓は背中に人の握りこぶしぐらいの大きさで背中に二つあります。一般的に腎臓は絶え間なく血液を濾過して老廃物を体外に排出すること、体内の水分量や血圧の調整、ミネラルのバランス調整、多くのホルモンを通じて体の重要臓器とのメッセージの交換などで体の恒常性を保つこと、別の言い方をすればコンピューターのOSのような司令塔の役割があり、元来人体をコントロールする脳に匹敵する重要臓器であることが認識され、近年日本や世界中の研究者達が注目しています。

腎臓は体の中の物質の状態を一定に保つ大切な役割があります。なぜなら私たちは日々の食事で和洋中華の様々な食材を食べます。その成分に食塩(NaCl)、カルシウム、マグネシウム、リンなどのミネラルが、食事のときいつでも決まった一定量摂取されるわけではありません。ランダムに吸収される血液中の様々な成分を安全な濃度を超えないように管理して体内成分の最適化を行い、不要な物質を尿として排泄する大変重要な役割を果たしています。腎臓はその役割の重要性から心臓が駆出する血流量の4分の1は腎臓に流れます。それほどの血流が流れている腎臓は全身の臓器から多くのメッセージを受け取り物質の血中濃度を上げたり排出物質増やしたりして24時間、体の恒常性を維持しています。例えば心臓が疲労すると塩分の再吸収を減らし塩分を多く排泄させて心臓の負担を減らし血圧を下げて心機能を守ります。甲状腺のそばにある副甲状腺のメッセージで血中カルシウム濃度を調整します。肺の酸素が不足すれば腎臓がエリスロポエチンという物質を骨の骨髄に送り赤血球を増産します。血圧を上昇させるレニンに分泌や、ビタミンDを活性化して骨を丈夫にすること、また体内でエネルギー合成により出てきた不要な物質の排泄促進をしたりして、いわば体内でどの物質が不足などを感知して送るロジスティクスの中心です。

腎臓のメカニズム

腎臓は背中に二つあります。それを詳しく見てみましょう。一部を拡大して説明します。

一つの生理的な仕事のパーツをネフロンと呼びます。ネフロンは濾過する機能を持った糸球体と物質の再吸収や濃度の調整機能をもった尿細管です。平均して一つの腎臓に100万個のネフロンがあります。二つの腎臓で200万個です・ネフロンは鉛筆や消しゴムのように使えば使うほど消耗することです。20歳で200万個あったネフロンは60歳や70歳になると100万個ぐらいに減ってゆきます。

動脈から流入した血液は書いて字のごとく糸球体の毛細血管の塊りで大きな赤血球やサイズの大きいタンパクはろ過されません。しかし一方、糸球体の網の目を通過した糖や小さな物質(老廃物以外に、アミノ酸やブドウ糖などの栄養素や、塩分、カリウム、リン、マグネシウムなど、さまざまなミネラル)水分は毛細血管からでて原尿となります。この糸球体を通過した原尿は成人で想像を超える約180Lおよそバスタブ一杯分に相当します。それを尿細管腔には無数の微絨毛があり体に必要な成分を再吸収して不要な物質は尿の中に排出します。同時に水分は99%再吸収されます。腎臓が膨大なの物質の調整を行い原尿の150Lから最終的に人の排出尿量を1.5-2L程度に絞り込みます。

原尿の量はバスタブ一杯分程あります

eGFRとは

正確に腎臓の糸球体の濾過機能をしるためにはある物質の濾過率を24時間観察しなければいけなく、早々簡単にはせきません。それ故 現在は血清クレアチニン値、年齢、性別からの計算式で推定できるGFRということでeGFR(estimated glomerular filtration rate:推算糸球体濾過値)を腎臓の機能の指標として用いてます。eGFRを用いて人の腎臓の排泄能力を評価して慢性腎臓病の進行を評価します。

CKDの検査

  • 腎機能中心の血液検査
  • 尿検査
  • 基幹病院の腎臓内科でのエコーやCTの画像検査や入院しての腎臓生研

CKDの治療

1.生活習慣の見直し

禁煙、お酒は控えめ、有酸素運動、規則正しい生活 適切な体重維持

2.食事療法

CKD重症度 ステージ1~2
① 減塩 ②カロリー制限

CKD重症度 ステージ3~5
① より厳しい塩分摂取制限
② タンパク制限
③ カリウム・リンの制限



今からすぐできるCKD予防

  • ① 高血圧・糖尿病・脂質異常症の是正
  • ② 腹8分目、禁煙、お酒をやめなくていいから控える 
  • ③ 有酸素運動 少し早歩き20-30分ぐらいのウオーキング。少し息が弾むくらい。ただし、心臓の悪い人はかかりつけ医に相談して下さい。
  • ④ 毎日楽しい気分で生きる
    ⇒当ホームページのマインドフルネスページをご参考になさってください。
  • ⑤ 起きる時間を守る。規則正しい生活(早寝早起き)
  • ⑥ 帰宅すると仕事のことは考えない。
  • ⑦ リン(保存料)の摂取を控える

自治医大の黒尾 誠先生が、『血中リンが尿細管に毒性をもたらす』ということを発見されてます。



しかしながらリンは食物の保存剤に使用されてます。具体的に言うとデパ地下や新幹線の駅でお弁当を買ったとき、「お客様、このお弁当は今日中あるいは午後7時までに食べてください。」と言われたら、ほとんど添加物は入っていないと考えられます。しかし2-3日日持ちするものは多くの保存剤(腐食剤)が入っており、保存剤の多くは一般的にリン化合物です。現代社会の食生活においては日持ちのする食品を手軽にスーパーやコンビニで購入できることは低コストで食品を購入できたり、食事の時間を選ばないなど、メリットも多くあり完全に避けることは不可能ですが、できるだけリンを避ける食生活をすることで腎臓は守られます。